1.はじめに
2018年秋から鹿児島県および宮崎県において、サツマイモの株が立枯れ、塊根(イモ)が腐敗するサツマイモ基腐病が多発し、生産者の収益減少や加工業者への原料供給不足が深刻な問題となっております。茨城県でも、令和3年に確認され、更に今年11月にも発生していたことが明らかになりました。本病は一度持ち込まれると防除が非常に困難で、圃場全体に深刻な被害を及ぼす恐れがあります。現在、外来者の圃場出入りなどにより、土壌・付着物を介して病原菌が持ち込まれるリスクが高まっている中で、以下の通り感染防止策をまとめましたので、農場利用者の皆様にご理解・ご協力をお願い申し上げます。
2. 基腐病とは
病原菌: 糸状菌 Diaporthe destruens
主な感染経路:
汚染された土壌の持ち込み
汚染した器具・長靴・車両タイヤなど
罹病したサツマイモ塊根・苗
主な症状:
塊根の黒変・腐敗
地上部の萎れ
収量の大幅低下
特徴:非常に伝染力が強く、圃場に入ると長期間残存します。
3. 防疫の基本方針
◆ 外部から病原菌を持ち込まない
◆ 病原菌を圃場内で増やさない
◆ 病原菌を残さない
4. 来訪者の方々へ ご協力のお願い
【必須】畑作圃場へ出入りする場合の確認
・事前連絡・許可の上で出入場してください
・学生を含むセンター利用者の出入りに関しては、教職員の指示に従ってください
・畑作圃場入場に当たってはチェックリスト(事務室)に記入、署名してください
・原則として他圃場(T-PIRC農場も含む)から作業後の畑作圃場への直行は行わないでください
・他所からのサツマイモ苗の持ち込みは必ず消毒苗としてください
・出所の不明苗等は、絶対に使用しないでください
【入退出時の洗浄、消毒】
畑作圃場への入退出時に、長靴・靴底を洗浄後、消毒マットまたは消毒液で殺菌
畑作圃場への入退出時に、道具の洗浄、消毒をお願いします
【服装・持ち込み物品】
清潔な作業着を着用
所持品等などの持ち込みは最小限に
必要物品は事前に洗浄し、可能なものは消毒してください
【農場内での注意】
指定された通路を歩行してください(別紙参照)
植物体・土壌への不要な接触は避けてください
収穫物・残渣には触れないでください
5. 圃場管理者(職員)の対応項目
① 来訪者の事前受付・来訪目的、チェックシート確認(事務室)
② 消毒設備の整備(消毒マット、ブラシ、噴霧器)
③ 長靴、シューズカバーの準備
④ 入場記録の管理
⑤ 圃場内のリスク区域への立ち入り制限
⑥ 汚染が疑われる用具などの隔離と完全洗浄
使用器具の制限:T-PIRC農場以外で使用した器具の使用を控える
金属器具:洗浄後、次亜塩素酸などの消毒
木製器具:病原菌が残りやすいため持ち込みを避ける
⑦ 注意喚起表示 例(掲示用)
「この圃場は病害防止のため立入制限中です」
「入場される方は、必ず靴底消毒を行ってください」
「他圃場から来られた方は入場前に必ず申し出てください」
6. 問い合わせ先:畑作圃場管理担当:秋葉よしえ 内線/2609
以上を遵守いただき、基腐病の侵入・拡散防止にご協力をお願いします。
基腐病対策につきましては以下をご参照ください
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/nougi/shokubou/documents/r7satmaimomotogusare.pdf
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/stem_blight_and_storage_tuber_rot_of_sweetpotator04a.pdf
